「久しぶりに海に入ったら、パドルが全然進まなかった……」
「テイクオフで足がスムーズに出ず、波に置いていかれる」
週に1回、あるいは隔週でしか海に行けない週末サーファーにとって、最大の悩みは「サーフィンに必要な筋力・体力の維持」ではないでしょうか。海に行けない平日の過ごし方が、週末の1本の質を左右します。
本記事では、忙しい大人サーファーでも自宅で短時間(5分〜)でできる、サーフィンの動きに直結する**「陸上トレーニング」**を徹底解説します。
1. なぜサーフィンには「陸上トレーニング」が不可欠なのか?
サーフィンは、海にいる時間の約80%〜90%がパドルだと言われています。しかし、週末だけのサーフィンでは、パドルに必要な筋肉を刺激する回数が圧倒的に不足しています。
1-1. 海での時間は意外と短い?効率的な上達への近道
海に入っている3時間のうち、実際に波に乗っている時間はわずか数分。残りの大半はパドルと波待ちです。陸上でパドルに必要な動作やテイクオフの姿勢を反復練習(シャドウトレーニング)しておくことで、海に入った瞬間の「体の反応」が劇的に変わります。
1-2. パドル力不足を解消する「筋肉の連動性」
パドルは腕の力だけで漕ぐものではありません。背中(広背筋)から指先、そして腹筋を通じた全身の「連動」が必要です。陸上トレーニングの目的は、単なる筋肥大ではなく、この**「動かし方の回路」**を脳と体に覚え込ませることにあります。
2. 【目的別】自宅でできるサーフィン陸上トレーニングメニュー
道具がなくても今日から始められる、実戦的なメニューを紹介します。
2-1. 【パドル力向上】広背筋と肩甲骨周りの強化
パドルで最も重要なのは「背中」です。
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バックエクステンション(背筋): うつ伏せになり、胸を少し浮かせてキープします。この時、肩甲骨を寄せる意識を持つことで、パドル時の「胸を張った姿勢」を維持できるようになります。
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水泳の動きを取り入れた「スイミング」: うつ伏せの状態で、対角線の腕と足を交互に上げ下げします。パドルに必要な持久力と、体幹の安定性を同時に鍛えられます。
2-2. 【テイクオフの安定】プッシュアップと瞬発力の養成
テイクオフが遅れる原因の多くは、手のつき方と足の引き込みの遅さにあります。
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スロー&クイック・プッシュアップ: ゆっくり体を下ろし、爆発的なスピードで体を押し上げます。この「瞬発力」が波を捉える際の爆発的な動作に繋がります。
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バーピージャンプ(低姿勢): ジャンプはせず、素早く足を胸元に引き込む動作を繰り返します。
2-3. 【ライディングの粘り】下半身の安定と体幹バランス
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プランク: 1分間のキープ。波の上でボードが揺れても、上半身がブレないための「軸」を作ります。
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片足スクワット(シングルレッグスクワット): 膝を内側に入れないように意識。サーフボード上での不安定な重心移動を再現し、脚力を鍛えます。
3. サーファーが鍛えるべき重要筋肉パーツと役割
トレーニングを行う際、どの筋肉がどの動きを支えているかを意識するだけで効果は倍増します。
| 筋肉部位 | サーフィンでの役割 |
| 広背筋(背中) | パドルで水を後ろに押し出す「推進力」の源。 |
| 腹横筋(体幹) | パドル時のグラつきを抑え、ライディングの軸を作る。 |
| 大胸筋・上腕三頭筋 | テイクオフ時にボードを押し込む「瞬発的なプッシュ」。 |
| 内転筋(太もも内側) | ボードを挟み込み、コントロールを安定させる。 |
4. ゆっくり波乗り流:怪我を防ぐための柔軟性と可動域
大人サーファーにとって、筋力以上に重要なのが**「柔軟性」**です。
4-1. 股関節の柔軟性がテイクオフの速さを変える
「テイクオフで足が引っかかる」のは、筋力不足ではなく股関節の硬さが原因であることが多いです。お風呂上がりの「カエルストレッチ」で股関節を広げる習慣をつけるだけで、驚くほどスムーズに足が前に出るようになります。
4-2. 首・肩の凝りをほぐして視界をクリアに
パドル中は常に首を反らして前を見るため、首周りに大きな負担がかかります。肩甲骨を回す動的ストレッチを行い、可動域を広げておくことで、波の状況を察知する「広い視野」を確保できます。
[→内部リンク:サーフィン中の風向きと波予測のコツ]
5. トレーニングを継続するためのマインドセット
週1回の海より、1日5分の積み重ね
サーフィンは感覚のスポーツです。1週間全く何もしないで海に入るよりも、平日に5分だけパドルの姿勢を意識したストレッチや筋トレをする方が、神経系が刺激され、海での感覚を維持しやすくなります。
「今日は疲れたから……」という日も、スクワット10回だけでOKです。その小さな積み重ねが、次の週末にあなたを最高の波へと導きます。
6. まとめ:次の1本を最高にするための準備を始めよう
サーフィントレーニングの本質は、筋肉をつけることではなく、**「海で最高の時間を過ごすための準備」**です。
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平日は「連動性」を意識した自重トレーニング。
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風呂上がりは「股関節」の柔軟ケア。
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イメージトレーニングを並行して行う。
これらを習慣にすれば、体力に自信が持てるようになり、もっとリラックスして波乗りを楽しめるはずです。次の週末、軽やかなパドルでゲッティングアウトする自分を想像して、今日から一歩踏み出してみましょう!

